「4年前まで、シリコンバレーの研究所にいたんです。 そこではユーザーの行動の研究するカスタマーリサーチ部門があり、App2Meは、実はそのカスタマーリサーチ部門の成果から生まれたアイデアだったんです」
―――では、アイデア自体はかなり前からあったのですね?
「そうですね。その後App2Meを商品化の検討に入ったのが2年半ほど前。そこまではスムーズだったのですが・・・。大変だったのはそれからですね」
商品化検討初期のころは、“なんなんだ、コレは?複合機で提供可能なものをどうしてわざわざ外に出すのか”と言われまして・・・。こんなものが商品になるのか、と。

―――まずは社内でのApp2Meの商品企画が必要だったのですね。
「そうです。これまでなかった新しい発想をどう商品に仕立てるか大変苦労しました。もともと弊社は主に複合機に機能を積んだ完成品を扱う会社ですの で、ウィジェットやApp2Meがどんなもので、PC・Webの世界とつなげるために外へ出すことの意義、他のWebサービスと連携する事はどんな点がお
客様のメリットなのか、ということを関連メンバー全員が心底共有する必要がありました。
また単に”ものづくり”だけなく、どうやってウィジェットを配布し、利用者からのフィードバックをどう集めるかなどのインフラストラクチャ構築の面であったり。さらにPC・Webベンダーの方にも賛同いただき、ウィジェットラインアップを広げていくためには、App2Meはプラットフォームとしてどうあるべきかなど。一つ一つメンバー全員が頭を悩ませ、時間を掛けて商品コンセプトを固めていきました。商品化にこぎ着けるまで1年以上はかかり
ましたね」
―――具体的にはどんな方法で、商品化していったのでしょうか?
「まずは社内の研究、設計、販売部署からスマートフォンの機能やWebサービスに詳しいメンバーを集 めて、“App2Meならではの特徴は何で、どう打ち出していけば良いか”を話し合ったんです。まだプロトタイプも動いていない中で、全く新しいもの共有
するということは想像以上に大変なことでした。
その後はエンドユーザーへのヒヤリングさらに、PC・Webの世界の人から見て、このApp2Meがどう見えるのかを確認するために、ITプロフェッショナル(IT関連の記者、ライター、IT
ベンチャーの社長、有名なブロガーの方々)にも意見を伺いながら、App2Meの価値が明確になり、ようやく商品開発がスタートしました。」
―――今回、複合機そのものではなく新しいサービスの開発に目を向けたのには、何かきっかけがあったんでしょうか?
「これからは物を売って終わりではなく、それに付随するサービス・価値をタイムリーに提供していかなければ、というのは、私たち商品企画チームだけではなく会社全体の流れだったのです。社長の意見もそうでした。ただ、それを具現化するのが難しかったですね。商品そのものの開発はもちろん大切ですが、今後App2Meをきっかけにどんどんまた新しいチャレンジができればと思っています」
―――今後の展開について教えてください。
ウィジェットは元々Webとの親和性が良いため、複合機をWebサービスと連携させることは、App2Meの最も得意とするところです。これまで複合機単体では実現できなかった事が、世の中にたくさんあるWebサービスと連携する事で、様々なことが実現可能となり、わくわくしています。
例えば、いつでもどこでもWeb上の保管サービスに文書を保存、または印刷したり。中国語の原稿が複合機で日本語に翻訳されて印刷、手書きの原稿がWeb(人力)サービスと繋がって、データ入力されるなど 「またWEBサービス提供会社や開発パートナーさんとも積極的に提携して新サービスを作りたいと思っています。紙とWebをつなぐ役割を担えたら、と。


